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小説・震災後 [小説]
東日本大震災が発生したあの日、そしてその後、自分自身が体験したことと重ね合わせることによって、多くの日本人がより一層実感を持って読むことができる作品だろうと思います。いや、否が応でもそうせずにはいられないかもしれません。
語弊があるかもしれませんが、今回の大震災はより多くの日本人が自分のこととして体験したという点が阪神淡路大震災と異なるところかなと個人的には思います。少なくとも東日本に住む自分にとってはそうでした。
震災を受けて被災地で頑張る人々の姿を直接描くのではなく、被災したとは言い難い東京・多摩地区に住む一家族にスポットライトを当てて、あの日の爪痕は「闇」となって遠く離れた人々にも影を落としているのだということを見事に描き出した福井晴敏氏の筆力はさすがだなと思いました。
あの大惨事は過去のことではありません。今現在のことであり、未来のことでもあります。今夏の電力問題等がまた喧しく論じられる中、改めてそのことを思い知らされました。
「人間は結果を生きているわけじゃない。いつだって過程を生きているんだ。だから何度だってやり直せる。いつでも、どんなところからでも、その意思さえあれば――。」本作品で一番心に残った言葉です。そして、「だから何度だってやり直せる。いつでも、どんなところからでも、その意思さえあれば――」とつながります。今回の震災を受けての福井氏の思いがよく表れている言葉だと思います。
福井氏はこの小説の中で、原子力発電に替わる発電方法として、太陽発電衛星(SSPS)を提案しています。太陽発電衛星とは、巨大なソーラーパネルを持った衛星を衛星軌道上に打ち上げ、太陽光を利用して発電した電力を地上にマイクロ波で送るというシステムです。
現時点としては克服すべき問題点も多く、一朝一夕には実現できないでしょうが、その可能性に賭けてみたい気がします。明るい未来の希望として。
『サイバーテロ 漂流少女』の献本企画
あまりにも驚いてしまって、そのメッセージを目にしてもすぐには事情が飲み込めず、 少し経ってからようやく当たったのかと理解しました。
このような企画に当選したことがなく、とてもうれしかったのと同時に、著者自身からのメッセージが届くという思いがけないサプライズにしばらくは興奮状態でした。
2532件の応募があって10名の者が当選したとのことですから、かなりの幸運だったことが分かります。
今から本が届くのが楽しみです。
ほしのこえ The voices of a distant star [SF]

ほしのこえ The voices of a distant star (MF文庫ダ・ヴィンチ)
かつて新海誠さんのアニメ作品を観て感動し、次に佐原ミズさんのコミック版を読んでアニメとはちょっと異なるエンディングにまた感動し、そして最後にこの大場惑さんの小説版たどり着いたという一人メディアミックス。
「わたしはね 懐かしいものがたくさんあるんだ」 アニメの映像を思い出しながら読み始めました。
ミカコが突然「タルシアン」と呼ばれる異生命体の探査隊にスカウトされたため、離ればなれになったミカコとノボル。
ミカコはノボルに対して当初から恋心を抱いていたようですが、どうもノボルはそうでもなかった様子。「ぼくらって、どういう関係なんだろう」などとつぶやいているぐらいですから。
ただ、仲の良い友達が突然に目の前からいなくなり、戸惑っているという感じでした。でも、「少なくともいま長峰は、ぼくを必要としている」ということだけは、しっかり認識しています。
それからは携帯電話が二人をつなぐたった一本の糸となります。
月、火星、そして太陽系外と、どんどん地球を離れていくミカコは「これ以上どこともしれない遠い宇宙へなんか、行きたくない。」と胸の内をつぶやきます。
ミカコが通っていた中学校の制服姿で有人探査機トレーサーに搭乗していることで、時間的には彼女の気持ちが中学時代で止まっており、空間的にはノボルのいる地球に固定されている状態を見事に表現していると感じました。
「生きなきゃ。思いが時間と空間を超えて、ノボルくんに届くまで」という一心でミカコは戦い続けます。そして、・・・。
イラストが竹岡美穂さんだということは知らずに購入しました。もっとイラストが入っているのかと思いましたが、その点は残念。
どんどん遠のく二人の距離。それと反比例して募る思い。タイムラグがありなかなか届かない返事。不安になり焦る気持ちという状況を、携帯電話というありふれた小道具をこのような宇宙を舞台にした物語で効果的に使うアイデアが今から見ても斬新で秀逸だったと思います。
メディアファクトリー新書特製ブックカバー
漫画・アニメの実写化
個人的には人気漫画がアニメ化されると結構喜んで見ている方ですが、実写化となると???
やはりどうしてもイメージが崩れる!と悲鳴をあげたくなる作品の方が多いような気がします。
小説の類とは異なり、それぞれのキャラクターが「絵」として受け手の側に示されていて、既に具体的なイメージが確立されている漫画・アニメを原作とするわけですから、その実写化ともなると自ずとかなりハードルが高くなるのも致し方ないのかなと思います。
よしんば既存のファンの批判には目をつぶり(そんな暴挙までは考えていないと思いますが)、既に世の中的に一定の評価を受けているストーリーを借用して、それに話題性の高い俳優陣をキャスティングすることにより集客を図ろうという考えが見え隠れするのであればあざとい商魂であると言わざるを得ません。
でも、読者メーターでコメントを返していただいた方の意見を拝見したりして、近時アニメ作品はあまた世に出ており、アニメ業界は隆盛のような印象を受けますが、制作現場レベルでは厳しい実情があるというようなことを漏れ聞くと、そのような現場に対するキックバック(表現は適切ではないかもしれません)があるのであれば、一概に否定することもできないのかなとも思い始めました。
でも、基本的に私は観ない派ですけれど・・・。
新刊コミックを探す [コミック]
宇宙英雄ローダン・シリーズの発売日 [SF]

ハルトの巨人たち (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-412 宇宙英雄ローダン・シリーズ 412) (ハヤカワ文庫SF)
今日は宇宙英雄ローダン・シリーズの最新刊『の巨人たち』の発売日です。
私の行きつけの地元の書店では、最近、発売日を数日過ぎるともうその新刊が店頭から消えていることが多いのです。
ちょっと前までは数冊は暫く残っていたように思うのですが、今日も1冊しか残っていませんでした。
危ない危ない。
栗本薫さんの『グイン・サーガ・シリーズ』のように、ブームが訪れているという話も聞こえてこないので不思議に思っています。
このシリーズを読む人が増えたのだとしたらうれしいのですが、何しろ412巻まで巻数を積み重ねてきたシリーズものですから、今から読み始めようと思っても敷居が高いかな。
日経ビジネス Associe 2011年 11/15号 [文房具]
遠まわりする雛 [ミステリー]

〈古典部〉シリーズ第4弾は短篇集です。
奉太郎たち古典部部員の4人の距離感が、神山高校の1学期から翌年の春休みまでの間に少しずつ変わっていく様子が描かれていて、謎解きとは別に興味深いものでした。
【やるべきことなら手短に】
奉太郎がえるの興味の対象を他に逸らすような工作をして、里志にたしなめられます。この時期、奉太郎とえるの関係はまだだいぶん距離がある感じです。
【大罪を犯す】
えるが省エネ主義の奉太郎の口癖を真似て茶化すようなジョークを口にしたことからも、だいぶん古典部のメンバーともうち解けてきた様子です。でも、それよりも何よりも、えるが授業中に教師に向かって怒りを露にしたという話には驚きました。意外に芯は強い少女なのかな?
【正体見たり】
えるの心情は良く理解できませんでした。一人っ子であるえるが思い描く兄弟像とはどのようなものなのでしょう?
【心あたりのある者は】
奉太郎の推理はちょっと出来過ぎの感があります。校内放送による呼び出しから贋札に行き着くというのはどうも・・・。
【あきましておめでとう】
絶好のシチュエーションに置かれたにもかかわらず、呆れるほどに何事もなく、救出を待つ奉太郎とえる。この二人に関しては距離うんぬんを問題にするのは時期尚早という感じがします。(笑)
【手作りチョコレート事件】
本作のなかでは、この作品が一番良かったかな。チョコレートを巡る事件だけにほろ苦い内容でした。摩耶花が里志に渡そうとして作った手作りチョコレートを盗んだ犯人を巡る謎解きもさることながら、中学以来の腐れ縁で、一番身近にいた里志の心情が実はよく分かっていなかったということが奉太郎にとっては相当ショックだったのではないでしょうか。
【遠まわりする雛】
奉太郎自身が自分の胸に湧き起こった感情に戸惑いを覚え、ちょっと狼狽えている様子がおかしかった。でも、奉太郎も今ひとつ自分に自信が持てず、えるに対して気の利いたことが言えずじまい。えるが吐露した胸の内を聞くと、何だか切なくて、甘酸っぱいものを感じました。
このシリーズは、ミステリーというテイストを持った青春群像劇なんだと再認識しました。
奉太郎とえるが安易に恋愛関係に陥らない点もこの作品の良いところかも知れません。
この作品を読むと、奉太郎の心境にもちょっとした変化が現れてきたのは明かですが、えるの奉太郎に対する感情は読めません。何もないのかもしれませんが・・・(笑)
それにしても、えるが十二単をまとった「生き雛」姿は見てみたいと思いました!
星を継ぐもの 1 [コミック]

- 作者: 星野 之宣
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/06/30
- メディア: コミック
SF史上に残る名作と信じて疑わない「星を継ぐもの」と大好きな漫画家である星野之宣氏という組合せは、個人的には奇跡のコラボだと思います。
高まる期待感に興奮しつつ読み始めました。
何しろ原作を読んだのが20年近く前のことなので、程よく(?)内容を忘れているため、ミステリー仕立てで謎解き的要素が強いストーリーにも、ワクワク感を失わずに読むことができました。
でも、他の人の感想を見ると、原作の構成を変えている部分もあるとのことなので、これを機に原作のほうも再読しようかなと思いました。
しかしながら、原作ではメインストーリーには関係なく、特に描写していない細かなところもこのコミック版では絵として描かれているので、それを見ているだけでも楽しくなります。
原作とはストーリーが異なるという感想もあるようですが、これはもう星野氏による第二の創造と言っても良いのではないでしょうか。
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